副作用が怖くて薬を使うことをためらったり、迷いながら使っている方が多いのではないでしょうか?
自分に必要な効果だけ得られればいいのですが、残念ながら不要な作用も薬にはあります
アトピー性皮膚炎で昔から問題になっているのが、ステロイド外用薬の副作用
「脱ステロイド」という言葉もよく見かけます
私のアトピー性皮膚炎の体験から、今の若いアトピー性皮膚炎の患者さんに伝えたいことがあります
昔は抗ヒスタミン薬とステロイド外用薬しかなかった
私が小学生だった1970年頃、湿疹で皮膚科に受診すると、かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)とステロイド外用薬が処方されました
当時、外用薬の塗り方の指導はなかったか、あっても今のような細かい指導はありませんでした
アトピーでない人はそれで治って終わり・・・だったのでしょう
アトピー体質だった私は、一時的に良くなってもすぐぶり返し、湿疹の範囲は広くなるし、症状も悪くなる一方でした
外見が一番気になる思春期
中学・高校生の頃は体のあちこちに湿疹、掻き傷がありました
母が心配して、高価な漢方薬や体質改善のサプリメントを購入してくれましたが、効果は実感できず続きませんでした
その頃も、ステロイド外用薬がなくなる頃に近所の皮膚科を受診し、飲み薬と外用薬を処方してもらっていました
長年の皮膚症状の悪化で、色素沈着が気になりだしたのもこの頃でした
初めて「アトピー」という言葉を聞く
1980年頃私は高校生で、友人と遊んだり、文化祭や部活動、大学受験の勉強で多忙でした
相当なストレスがかかっていたのでしょう、いつも以上に体の湿疹は痒いし、傷が膿んでるし、しかも発熱していました
母に伝えると、湿疹の様子をみて即座に、総合病院の皮膚科を受診させました
即入院となり、2週間ほど点滴治療を受けました(カポジ水痘様発疹症)
その時の主治医に初めて「アトピー」という言葉を告げられました
昔のアトピー性皮膚炎の治療
大学生活・就職・結婚・出産と人生の大きなイベントがありましたが、アトピー性皮膚炎の症状は一進一退(徐々に悪化)をくりかえしていました
当時のアトピー性皮膚炎は、抗アレルギー薬の服用とステロイド外用薬で症状を抑えていました
この頃にはストロイド外用薬の長期使用の局所副作用(皮膚萎縮・皮膚が薄くなる・赤ら顔など)がはっきりわかりましたが、なかなか外用薬を中止することができませんでした
現在のアトピー性皮膚炎の治療
ここ数年でアトピー性皮膚炎の治療の選択肢が広がりました
特に私のようなステロイド外用薬の副作用がでている人にとって、ステロイド以外の外用薬が治療手段に加わったことは大きい出来事でした
今ではステロイド外用薬の使用量は劇的に減っています(一ヶ月に5gチューブ1本も使用していません)
ステロイド外用薬の副作用も少しずつですがおさまってきているように思います
10代・20代・30代の若いアトピー性皮膚炎の方へ
症状が悪い時は、外出ができなくなったり、気分が落ち込んで何もやる気がでなくなります
10代・20代・30代の方がアトピー性皮膚炎の症状で悩みながら、懸命に生きていおられる様子をブログなどでよく見ています
その中で気になるのは、皮膚科受診をせず、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させている方が少なからずおられる事です
ステロイド外用薬の副作用を極端におそれるあまり、使用を避けて症状が悪化、外出をひかえたり、やりたいことを出来ず辛い毎日を過ごしておられます
若くて色々とチャレンジできる時期はあっという間に過ぎ去って行きます
若く輝かしい時間を失ってしまうことに気づいて欲しいと思います
私の若い頃はステロイド外用薬しかなかったので、それで皮膚症状を抑えていました
その効果を享受し、10代・20代・30代にやりたい事(友人との交流・勉強・受験・恋愛・結婚・出産・・・)が何とかできました
50年近くステロイド外用薬を使ってきたので、しっかり副作用もでてしまいましたが・・・
でも今はステロイド外用薬以外の治療法もあり、しかも治療効果もいいようです
(もちろん新薬なので今後問題ある副作用が報告されるかもしれませんが・・)
もし現在、皮膚科受診をしていないなら、信頼できる医師を探してみてください
有名な皮膚科でなくてもいいのです
医師と患者の相性もあります
話のしやすい、信頼できる医師のもとでアトピー性皮膚炎の治療を受けてほしいと思っています

コメント