こんにちは、ちゅらです。
薬剤師として働く私自身、長年アトピー性皮膚炎と向き合ってきました。
20代から40代の頃、副作用を気にしつつ、ステロイド外用薬を使い症状のコントロールに苦労していました。
50代で今の主治医と出会い、使い始めた新しい選択肢が「JAK阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)」です。
今回は、AK阻害薬を実際に使ってみてどう感じたのか?を、私自身の経験を交えてご紹介します。
■ JAK阻害薬とは?
JAK(ジャック)阻害薬は、ヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)という酵素の働きを阻害することで、炎症の原因となる物質(炎症性サイトカイン)の産生をブロックする働きのある薬です。
従来のステロイドやタクロリムス(プロトピック)とは作用の仕組みが異なり、新しいアトピー治療薬として注目されています。
■ 実際に使ってみて感じたこと
◎ ステロイドほど「塗る場所」に神経質にならない
ステロイド外用薬のときは、
「症状が出ている部分にだけ、ピンポイントに丁寧に塗る」
という意識で、塗る場所や量にとても気を使っていました。
それに比べてJAK阻害薬は、
刺激が少なく、ステロイドに比べて扱いやすい印象があります。
私の場合は、ちょっと赤みがある程度の部分にも気軽に使えると感じています。
主治医からは、赤みがなくても触った感じがザラザラするところにも塗布するように、と指示がありました。
◎ 使用後の乾燥感がほとんどない
個人的に驚いたのは、塗った後の肌の乾燥感がないことです。
ステロイドを使った後は、どうしても皮膚が乾燥して、
「また保湿しないと…」とこまめにケアが必要でしたが、
JAK阻害薬を使い始めてからは、しっとり感が持続するように感じています。
◎ 少し気になる「将来的な副作用」
新しい薬なので、長期使用による副作用についてはまだ不透明な部分もあります。
私自身、JAK阻害薬を使い始めたとき、
「この薬をずっと使い続けても大丈夫かな…?」と少し不安がありました。
今のところ大きなトラブルはありませんが、定期的に主治医と相談しながら使用を続けています。
新薬だからこそ、「油断せず、慎重に」使っていきたいと考えています。
■ JAK阻害薬は「次の一手」として心強い選択肢
私にとって、JAK阻害薬は
「ステロイドだけではコントロールしきれないときの、次の一手」
という位置づけです。
ステロイド外用薬の量を減らしていきたいけど、皮膚の赤みやかゆみがどうしても残って不安のあるときに、JAK阻害薬は心強い味方になってくれています。
JAK阻害薬を使用するようになり、ステロイド外用薬の使用量は格段に減少しました。
ステロイド外用薬を減らすことで、皮膚が薄くなるなどの副作用も少しずつ改善してきました。
■ おわりに
アトピーの治療は、「これだけで治る!」という万能薬があるわけではありません。
だからこそ、自分の肌の状態やライフスタイルに合った薬を、無理なく上手に使い分けることが大切です。
私の経験が、JAK阻害薬の使用を検討している方の参考になれば嬉しいです。
今後も、薬剤師として、そしてアトピー患者としての視点から、
「現実的で続けられるケア」をお伝えしていけたらと思います。
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