ミドルの再就職 〜私の覚悟〜

仕事

私が47歳で、20年以上のブランクを経て調剤薬局に再就職したのは、
ただ「働きたい」からではありませんでした。
「家族を守るために、どうしても働かなければならなかった」からです。

主人が46歳のとき、癌が見つかりました。
自営業だった彼は、闘病生活に入ると同時に仕事を続けることが難しくなり、やがて仕事を失いました。
時期を同じくして、私もまた短時間勤務先を失い、家族の収入は一気にゼロになりました。

家には、まだ自立していない二人の子供たち(中学生と高校生)
これからどれほどお金がかかるか、考えれば考えるほど、不安と焦りで胸が潰れそうでした。

泣いている時間なんてありませんでした。
「私がやるしかない」
そう腹をくくりました。

私は薬剤師の資格を持っていました。
けれど、ブランクは20年以上。
今の現場がどれほど進化しているか、どれだけ自分が取り残されているか、痛いほどわかっていました。

それでも、私は薬剤師に戻る道を選びました。
毎日、必死でした。
薬の名前を覚え直し、制度を学び直し、若い薬剤師たちにも頭を下げて教えてもらいました。
情けない思いも、悔しい思いもたくさんしました。

でも、立ち止まるわけにはいきませんでした。
家族を守るために、私には「進む」以外の選択肢はなかったのです。

主人は5年の辛い闘病生活の末、51歳で亡くなりました。

あのとき必死で食らいつき、働き続けたことで、子供たちは無事に大学を卒業し、それぞれの道を歩んでくれました。

ミドル世代の再就職は、甘くありません。
けれど、覚悟さえ決めれば、人はどんな状況でも乗り越えられる。
私は自分の人生を通して、それを証明したいと思っています。

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